参加意向調査結果

調査結果:世界のMECP2重複症候群コミュニティが語る

MECP2重複症候群の研究は、かつてない一歩を踏み出し、臨床試験の段階に入りました。これは、子供たちのより良い未来のために長年懸命に取り組んできた多くの家族にとって、希望の光となっています。

米国ではATTUNE(Ionis社のION440)、中国ではHERO(HuidaGene社のHG204)といった初期段階の臨床試験が開始され、私たちは治療法の探索における歴史的な瞬間を迎えてます。これらの第1/2相臨床試験は、治験薬の安全性と有効性の可能性を評価する重要な役割を果たしますが、あくまで始まりに過ぎません。

今後の展開、特により大規模で後期の臨床試験に備えるため、2024年3月に世界規模の調査を開始しました。この調査の目的は、世界中の家族の関心と準備状況を把握し、現在の試験で有望な結果が得られた場合に、次の試験デザイン、計画、実施拠点の選定を支援することです。調査には、世界各国の94家族から回答をお寄せいただきました。

ご協力いただいたすべてのご家族に、心より感謝申し上げます。皆さまからの回答は、コミュニティから貴重な情報を収集するうえで大変役立っており、最終的にはコミュニティをより良く支援するための基盤となります。

以下に調査結果をまとめたので、ぜひご覧ください。

世界各国から合計94家族が調査に参加し、臨床試験への参加に対する世界的な関心の高さが示されました。回答の多くは、ヨーロッパと北米からでした。全体の91%が男児の保護者または介護者で、9%が女児の保護者または介護者でした。調査に参加した子供たちの年齢は0歳から34歳まで幅広く含まれていました。

臨床試験への参加意欲: 各参加者は1つの回答のみ選択可能。パーセントは94名の回答者をベースにしています。

性別、年齢、地理的な分布にかかわらず、回答者の大多数(77%)は、自分の子供を臨床試験に登録することに強い関心を示しました。一方で、19%は未定、4%は参加を希望していませんでした。

臨床試験参加に影響を与える主な要因: 各回答者は複数の要因を選択可能です。円の大きさとパーセンテージは、各選択肢を選んだ回答者(合計94名)に占める割合を示しています。

参加意欲に影響を与える要因をよりよく理解するため、家族に対して子供を臨床試験に参加させるかどうか判断する際に、重要視するポイントが何かを尋ねました。最も多く選ばれたのは、治療や手続きに伴うリスクでした。94名中86名(91%)が挙げました。次いで、治療の潜在的な利益が94名中77名(82%)で続きました。試験の場所(60件、64%)、交通費や宿泊費の支援(47件、50%)、試験期間(37件、39%)を選ぶ人は、それほど多くはありませんでした。

まとめ

この調査結果は、MECP2重複症候群に罹患した家族の視点と優先事項に関する貴重な洞察を提供するものとなりました。年齢、性別、地理的な違いにもかかわらず、家族の大多数が臨床試験への参加に興味を示しました。

リスクと潜在的な利益が意思決定の際の最も重要な要素である一方で、試験場所、移動手段、試験期間などの要素も、重要度はやや低いものの、無視できない考慮事項であることがわかりました。

ATTUNE試験とHERO試験は現在、ヒトでの初回データを収集中であすが、これらの疑問や懸念のいくつかが、時間をかけて解消されることを期待しています。

その間に、私たちのコミュニティは次のステップに備える必要があります。初期の臨床試験で有望な結果が出れば、後期の試験や世界的な治療アクセスのために、より多くの参加が不可欠となります。この調査は、家族のいる場所、必要な支援、参加意欲がどの程度あるかを把握し、その準備を支援するために実施されました。

この調査は単なるデータではなく、進歩に向けた次のステップを踏み出す準備ができている、献身的でグローバルにつながったコミュニティの意思を反映したものです。まだ参加されていないご家族のために、アンケートはまだ受付中です。声を届け、臨床研究の未来を共に築くのに遅すぎることはありません。

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