ヒーロー

MDSを対象としたCRISPR cas13臨床試験「HERO」の被験者募集開始

HERO 臨床試験は、MECP2 重複症候群(MDS)を対象に、新しい CRISPR Cas13 RNA 編集療法である HG204 を評価する先駆的な研究です。HuidaGene 社がスポンサーを務めるこの試験は、 MDS 治療法の探求において重要な一歩となります。2024年11月には、最初の患者に HG204 の投与に成功し、MDS コミュニティに新たな希望をもたらしました。

技術について

臨床試験の概要 

HERO 試験では、HG204 を脳内に直接届けるために脳室内投与(ICV)による単回注射が行われます。2024 年 10 月に募集が始まり、対象は MECP2 重複症候群(MDS)と診断された 2~18 歳の男性の患者さん 6 名です。被験者は、 60 週間にわたる試験に参加し、8 週間のスクリーニング期間、治療の実施、そして 52 週間のフォローアップ期間を経ます。主な目的は、有害事象を監視し、治療後の発達の進行を評価することにあります。現在、この試験は中国・北京大学病院で実施されていて、今後の中国での追加募集は、最初に治療を受けた患者の結果に基づいて判断されます。 

より詳細な情報については、試験実施計画書をお読みいただきたい。

研究計画書へ

最初の患者への投与と予備的知見 

11月、HuidaGene社は最初の患者へのHG204の投与に成功したと発表しました。注射から6週間後、この患者には大きな副作用は見られず、有効性の予備的兆候が観察されました。今後数週間にわたり、患者の状態を注意深く観察し、治療の安全性と有効性をさらに評価します。 

次のステップと目標 

HuidaGene社は規制当局から大きな前進を遂げ、MECP2重複症候群治療薬であるHG204に対して、米国FDAから「希少小児疾患指定(RPDD)」および「オーファンドラッグ指定(ODD)」の2つの重要な指定を取得しました。HERO試験は中国で実施されていますが、同社は米国FDAや欧州EMAと今後の米国およびヨーロッパでの追加研究についても協議を開始しています。 

研究発表 

一方、HuidaGene社は、CRISPR-Cas13技術を用いた前臨床実験の詳細を『Nature Neuroscience』に発表しました。研究では、HG204がMECP2のmRNAレベルを効果的に低下させ、マウスおよび非ヒト霊長類モデルにおいて病状を軽減し、寿命を延ばすことが示されました。しかも、副作用は認められていません。この結果は、進行中の臨床試験とHG204がMDSの治療選択肢として有望であることへの信頼を強化するものです。

出版物へ

HERO臨床試験は、MECP2重複症候群の治療法の探求における重要な一歩です。最先端のCRISPR Cas13技術と有望な予備的結果の組み合わせは、この疾患に苦しむ患者さんやご家族に希望をもたらしています。今後数ヶ月間は、HG204 の安全性と有効性を十分に確認するために、継続的な監視と研究が非常に重要となります。 

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